クレーン・デリック運転士試験とは?出題科目・配点・合格基準・受験資格・免許交付までまとめて解説
クレーン・デリック運転士は、建設現場・工場・造船所・港湾などでクレーンやデリックを 運転するために必要な国家資格です。この試験には「限定なし」「クレーン限定」 「床上運転式クレーン限定」の3区分があり、「自分はどの区分を受ければよいのか」 「受験資格はいるのか」「合格すればすぐ運転できるのか」が分かりにくいまま 勉強を始めてしまう人が少なくありません。このページでは、実施機関である 公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公表資料にもとづいて、迷いやすいところを順に整理します。
※本ページはアプリ製薬が独自に作成した非公式の解説です。厚生労働省・安全衛生技術試験協会その他の 政府機関・試験機関を代表するものではありません。試験日程・受験申請・合格発表などの正式な情報は、 必ず公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式サイトでご確認ください。
1クレーン・デリック運転士の3区分
クレーン・デリック運転士学科試験には、次の3区分があります。3区分とも科目・出題数・配点・ 試験時間は同一で、違いは出題範囲(デリックに関する知識・法令を含むかどうか)だけです。
| 区分 | 出題範囲 |
|---|---|
| 限定なし | クレーン関係知識・デリック関係知識・クレーン関係法令・デリック関係法令すべて |
| クレーン限定 | デリック関係知識及びデリック関係法令は除かれる |
| 床上運転式クレーン限定 | 学科の出題範囲はクレーン限定と同一(実技試験の対象機種だけが異なる) |
令和7年度の実績(後述)では、受験者の大半がクレーン限定を受けています。 迷ったときは、自分が運転する(予定の)クレーンの種類にデリックが含まれるかどうかで 区分を選ぶことになります。
出典:安全衛生技術試験協会「クレーン・デリック運転士|試験のご案内」(限定なし・クレーン限定・床上運転式クレーン限定の各紹介ページ、2026-08-29確認)
2試験科目・出題数・配点
出題形式は五肢択一式・マークシート方式です。正答は1問につき1つだけ。3区分とも同じ4科目を受けます。
| 科目 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|
| クレーン及びデリックに関する知識(限定区分は「クレーンに関する知識」) | 10問 | 30点 |
| 関係法令 | 10問 | 20点 |
| 原動機及び電気に関する知識 | 10問 | 30点 |
| クレーンの運転のために必要な力学に関する知識 | 10問 | 20点 |
合計40問・100点・試験時間は13:30〜16:00の2時間30分(科目免除者は短縮されます)です。 科目により1問あたりの配点が3点・2点と異なるため、正解した問題数の割合と得点の割合は 必ずしも一致しません。
出典:安全衛生技術試験協会「クレーン・デリック運転士|試験のご案内」(2026-08-29確認)
3合格基準
安全衛生技術試験協会が公表している合格基準は、次のとおりです。
科目ごとの得点が40%以上で、かつ、その合計が60%以上であること
つまり、合格には次の2つのハードルを両方こえる必要があります。
- 科目ごとに40%以上 … 各科目とも最低ラインを下回ると、 合計点がどれだけ高くても不合格になります。
- 合計が60%以上 … 100点満点中60点以上。
得意な科目で稼いで苦手な科目を捨てる、という戦い方ができない試験です。 まず全科目で足切りラインを確保してから、得点を伸ばしにいくのが定石です。
4受験資格・免許交付までの流れ
受験資格は不要です。
学歴・実務経験を問わず、どなたでも受験できます。ただし受験申請の際は 本人確認証明書(運転免許証の写し等)の添付が必要です。
⚠️ 合格=免許ではありません。
試験に合格しただけでは免許は交付されません。次のいずれかの要件を満たしたうえで、 住所地を管轄する都道府県労働局長に免許申請を行う必要があります。
- 学科試験に合格し、かつ実技試験にも合格する
- 学科試験に合格し、かつ登録教習機関の「クレーン運転実技教習」を修了する (修了から1年以内は実技試験が免除されます。床上運転式クレーンを用いた教習の修了者は 「床上運転式クレーン限定」免許の経路になります)
受験資格が無いぶん受験の機会は誰にでも開かれていますが、免許取得までは 実技試験または教習という別ステップが必要という点は見落とされがちです。
出典:安全衛生技術試験協会「クレーン・デリック運転士|試験のご案内」(2026-08-29確認)
5試験の実施・受験手数料
- 実施機関は公益財団法人 安全衛生技術試験協会(厚生労働大臣指定試験機関)です。
- 全国の安全衛生技術センター(各センターで実施・出張特別試験もあり)で実施されています。
- 学科試験の受験手数料は8,800円(非課税・令和5年6月1日現在)です。
日程・会場・受験手数料・申請方法は変更されることがあります。必ず 公式サイトで最新の情報をご確認ください。 申込方法・受付期間の詳細な案内はアプリ内の「試験制度ガイド」からも確認できます。
出典:安全衛生技術試験協会「手数料一覧」(2026-08-29確認)
6直近の受験者数・合格率
| 区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 限定なし | 946人 | 632人 | 66.8% |
| クレーン限定 | 17,550人 | 10,052人 | 57.3% |
| 床上運転式クレーン限定 | 79人 | 39人 | 49.4% |
令和7年度の実績です。受験者数の大半を占めるのはクレーン限定で、合格率は57.3%。 「科目ごと40%以上」の足切りを見落として落ちる人が多いため、苦手科目を残さない対策が重要です。 (参考:移動式クレーン運転士は受験者4,861人・合格率65.7%の別試験で、本アプリの対象範囲外です。)
出典:安全衛生技術試験協会「試験実施状況(学科試験)」(2026-08-29確認)
7どんな問題が出るのか(公表試験問題80問の実測)
試験協会は試験問題を年2回公表しています。直近の「限定なし」2回分(令和8年4月・ 令和7年10月=計80問)を1問ずつ数えたところ、49問(約61%)が「適切でないものは 次のうちどれか」型でした。正しい記述を選ぶ練習ばかりしていると、知っているのに 解けない状態になります。
| 科目 | 負の向き(適切でないもの等) | 組合せ型 | 穴埋め | 計算 |
|---|---|---|---|---|
| クレーンの知識 | 45% | 45% | 0% | 0% |
| 関係法令 | 80% | 10% | 10% | 0% |
| 原動機及び電気 | 80% | 15% | 0% | 0% |
| 力学 | 40% | 5% | 0% | 55% |
関係法令・原動機及び電気は「適切でないもの」型が8割と突出して高く、力学は逆に 「数値を選ばせる計算問題」が半数以上を占めます。クレーンの知識は「AからEの記述の 組合せ」型がほぼ半数を占めるのも特徴です。科目によって出題の型がまったく違うため、 一律の練習では対応しきれません。
公表試験問題の原本は 試験協会の公表試験問題のページから どなたでも無料で入手できます(PDF)。学習の仕上げに一度は解いておくことをおすすめします。
8勉強の進め方
- まず自分の区分を確定させる。クレーン限定・床上運転式クレーン限定を 受ける人はデリック関係の知識・法令を勉強する必要がありません。区分を決めてから 学習範囲を絞りましょう。
- 力学の計算問題を避けない。力学は本試験の半数以上が数値を選ぶ計算問題です。 力のモーメント・支点反力・応力・張力・滑車の考え方は、公式を丸暗記するより 数値を当てはめる練習を繰り返すほうが本番で崩れません。
- 「適切でないものはどれか」型に慣れておく。関係法令・原動機及び電気は 8割がこの型です。正しい記述の暗記だけでなく、間違い探しの練習を積みましょう。
- クレーンの知識は組合せ型の対策も。「AからEの記述のうち適切でないものを 全てあげた組合せはどれか」型がほぼ半数を占めるため、個々の記述を単独で正誤判定できる 力が必要です。
対策アプリ「クレーンウカール」
アプリ製薬の「クレーンウカール」は、クレーン・デリック運転士学科試験の対策アプリです。 3区分(限定なし・クレーン限定・床上運転式クレーン限定)に対応し、本試験と同じ 五肢択一式・4科目構成で、模擬試験は本試験と同じ問題数・科目順・合否判定を再現します。
- 模擬試験は「適切でないものはどれか」型・組合せ型・穴埋め型・計算問題を、 科目ごとの実測比率で再現します。
- 合格ナビで科目別の信号(安全圏/要注意/足切り危険)と今週のふりかえりを確認できます。
- 力学の計算問題トレーナー・数字スピードドリル・図解・暗記カード・ 忘却曲線にもとづく「今日の復習」。
- 対比で覚える・早見表・用語検索・直前要点まとめで、混同しやすい論点や数値を整理できます。
- 仕事と現場を知る(働く場所・職種・資格のステップアップ・事故に学ぶ安全知識)や、 試験制度ガイド内の法改正の歩みなど、受験対策以外の読み物も収録しています。
- 問題はすべてオリジナルで、各問に解説と一次資料の出典を明記しています。
- 広告なし。学習データは既定では端末内にのみ保存されます。
※本アプリは政府・公益財団法人 安全衛生技術試験協会の公式アプリではありません。 個人開発者「アプリ製薬」が制作した、独自の模擬問題集です。収録している問題は 公表試験問題の転載ではなく、すべてオリジナルに作成したものです。